ツリークライミングロープのお洗濯

2009年は割りとツリークライミングは天候に恵まれて、ロープが濡れることがありませんでした。年によっては毎週雨にあたり、往生したこともあったっけ。

このツリークライミングロープは長さは120ftか150ft(35-45m)、太さ12.5mm(13mmと呼ぶば場合もあります)のツリークライミング専用のロープでDRT(Double Rope Technique=ダブルロープテクニック)専用にロープメーカーが設計して作ったものです。ちなみにツリークライミングジャパン(TCJ)で使用しているのはYale Cordage社製。

・・・で、ツリークライミングの体験会=全く初めてのお客さんに登ってもらう場合、このダブルロープテクニックというのは大変安全性が高くて良いのです。

ロープを使用して登る方法は色々とありまして、例えばユマールと呼ばれることが多い登るための特殊器具を使う場合「登る器具」と「降りる器具」が異なるんですね。するとどうなるか?登って上で色々して、さあ、降りよう・・・となった場合、その場所で「登る道具を外し、降りる道具に付け替える」という作業をする訳です。この作業の際にリスクが発生する・・・外れて落ちちゃうかも!ということです。

当然、そのリスクを軽減するための手順というのがあるのですが、ビギナーには無理な話。その点、ツリークライミング体験会で使用されるDRTは特殊なノット(結び)の摩擦を利用して「登り、降り」の両方を行うので「付け替える」リスクがゼロとなります。その他にもDRTがツリークライミングで使われる理由は沢山あるのですが、今回の「お洗濯」と関係あるのはこのロープの「摩擦」なんですね。

特殊なノットの摩擦を利用している・・・関係上、ロープの汚れがこのノットの動きにかなり影響するんですね。汚れの種類によってノットが引っかかっちゃったり、滑ったり・・・ということで定期的なメンテナンスは大切なお仕事となります。

汚れの種類は野外活動ですので土と砂。そして、手でロープを触りますので汗・・・とまあ結構汚れます。仕事で枝切り作業をする場合はチェーンソーオイルなんかも「がんこな汚れ」ですね。ただ、リスク分散として「お客さん用」と「仕事用」は厳格に区別しております。今日の洗濯はこの「お客さん用」。

345e088d7129677822ac0aa38dc4fc62

最初のころはお風呂の残り湯で踏み洗い・・・みたいなことをしておりましたが、現在10本以上ゲストロープがありますので洗濯機に頼っております。全自動なので基本おまかせの標準コースで(笑)。洗剤は通常の中性洗剤で大丈夫です。柔軟剤は入れたことないけド、摩擦が減りすぎる可能性があるので使いませんね。

089181b27b4171695b490cba3ddf2c17

洗い終わったら日陰干しです。スペースの関係上、こんな風にして干しています。本当はシートの上に「わさわさ」っと広げて干したいのですが、えらい場所を取りますのでこの方法です。ちなみに以前、あまり沢山このようにぶる下げたら物干し竿が折れました(笑)。いやぁ、物干し竿って折れるんですねぇ…って感じ。

73b176a6dbd0afd10e5aaa4be0020860

ロープを干している間に、空になったロープバックの点検。内側の縫い目の部分がこのように毛羽立ってきますので、ライターで焼き止めしてます。銀色のが使用しているライター。100円ライターでも良いのですが、長いことやっていると熱くて持ってられません、今はこんなライターを使っています。強制的に空気を送って勢い良く燃えるやつです(商品名忘れちゃいました)。慣れないとナイロン生地に穴をあけますから注意と慣れが必要ですが、焼き止めしておくと寿命が延びます。まあ、命に関わるメンテナンスではないのでやらなくても良いのですが。

ロープが乾いたらまた、ロープバックに戻して、メンテナンス終了。乾くには2-3日かかるかなぁ?湿気が多いときは1-2回、束ねた状態からばらして、束ね直したりしてます。そうしないとロープが密集している所がなかなか乾きません。今は湿度が低いのでこのままで大丈夫かなと思います。本数が多いので結構大変ですが、これも安心して楽しくお客さんに登っていただくため!がんばれ洗濯機!がんばれ俺!

さあ、綺麗になったロープで2010年はどんな「人」に、どんな「木」に出会えるかなぁ・・・

2010年が皆様にとって良い一年でありますように!